Guitars590’s blog

愚か者の力を馬鹿にしちゃあいけない。

 Sanding Sealer(サンディングシーラー)
 現代のギターフィニッシュは、ネックやヒールのカーブの部分でさえ、均一で平滑な表面をしている。(マホガニーやローズウッド、その他の)小穴だらけの木材では、まず最初に、平らな表面を作るために、広い導管をグレインフィラーで埋めなければならない。それから何層ものフィニッシュの塗装がおこなわれ、平面を出し、ポリッシュされる。フィニッシュ作業の過程の中で、木地に着色がなされる場合や、フィニッシュ塗装の早い段階で着色がおこなわれる場合もある。フィニッシュが充分厚かったり、「生成された層」が、後におこなわれるレベルサンディングに耐えられる厚さになったり、木地や着色層にサンディングすることなしにバフィングができる状態になったならば、レベルフィニッシュに取りかかることができる。
 カラートーンサンディングシーラーは、クリアで強く、硬く縮みにくいポリエステル/ウレタンのラッカー-シーラーである。フィニッシュの大部分で利用すること。(最終的なフィニッシュの厚みの65〜75%がシーラーであるべきだ。)このシーラーには48時間だけ溶解のための時間がある。これは48時間以内であれば、次に続く塗膜と前の塗膜がベストの状態でくっつくという意味である。この時間(48時間)を超えたら、後に続くコートが表面に良く付着するために、320番程度のペーパーで表面をザラザラにする必要がある。フィニッシングスケジュールの中で、この段階を頑張ってみることである。
 トップコートフィニッシュの様にウォーターベースシーラーコートは互いに溶け合うことはないが、互いに良く結びつきあう。シーラーの層を突き抜けてサンディングをしてしまった場合、「証拠の線(witnessline)」を目撃することになる。だが、これは後からおこなわれる塗膜で消えるはずだ。
 カラートーンウォーターベースギターラッカーは、クリスタル・クリアで、アクリルのウォーターベースラッカーで、サンディングシーラーとは異なり、塗膜と塗膜の間が、時間制限無く100%溶け合う。これは、リペアが可能ということであり、ニトロセルロースラッカーに、とてもよく似た性質である。熱可塑性レジンで、バフィングの熱で縮んだり動いたりする。この点が、作業のすべての段階で使うことを、我々が勧めない理由である。だが、フィニッシュ全体の25〜30%くらい、表面の部分に利用する。サンディングとバフィングで高光沢が得られ、硬度と耐久性があり、素晴らしいオールドギターによく見られるような仕上がりを成し遂げることができる。シーラーと同じスプレー環境が使える。ガンのチップも空気圧も同じでよい。1日から2日の間に、3〜4回のトップコートをおこなう。コートとコートの間に、800番でサンディングをすること。ただし、液だれや塗膜のたるみ、ホコリなどを取り除く程度にすること。トップコートが(科学的に完全に)乾くのには、約150時間かかる。気温が37℃くらいに上昇すると、硬化はわずかに加速する。しかし、その気温がギター本体に及ぼす影響を考慮するべきである。覚えておいて欲しいのだが、高すぎる気温は、相対湿度を下げることに繋がる。理想的な気温より低いと硬化時間は長くなる。