Guitars590’s blog

愚か者の力を馬鹿にしちゃあいけない。

Wipe-sanding and color-sanding
 「ワイプ・サンディング」というのは我々の呼び方で、自動車塗装業では「カラー・サンディング」と呼ばれている。ほんの小さなホコリを払い落としたり、オーバー・スプレーの部分に施したり、滑らかな表面にフィニッシュのコートをスプレーした結果、小さなコブができてそれを払い落としたりする工程のことである。(500番かそれ以上の)細かい目のサンド・ペーパを使い、軽く払うようにフィニッシュに対して一度だけ(またはフィニッシュの一部だけ)行うことで完了する作業である。我々はラバーの角の丸まったサンディング・ブロックやコルク、フェルトあるいはサンド・ペーパの当て木として実際に木を利用する。ワイプ・サンディングは通常カラー・コートの後おこなう。というのも、ワイプ・サンディングに悩まされすぎることが(気にしすぎることが)あるからだ。だが、このテクニックはフィニッシュの工程のどこででも使うことができる。

Strip-sanding
 ストリップ・サンディングは一カ所をピン・ポイントで行うには最良の方法である。液だれやへこみ、塗料が落ちたところのようなフィニッシュの不完全な部分に、フリカット・サンドペーパを細くしたものを引いて作業する。サンドペーパの幅は不完全な部分の大きさに依存する。通常は幅が4分の1インチから8分の3インチ、長さが6インチくらい、番手は220番から320番位である。(320番位が最もよく使われる)不完全な部分の上から小さなラバー・サンディング・ブロックの角か端でペーパを押さえ(あるいは指で押さえ)て、不完全な部分の上にだけ力をかける。そして、ペーパを引くのである。色々な方向に引っぱる(サンディングする)ことで良い結果を得られるだろう。平らになってきたら止めて、番手を変えよう。(作業をする部分にさらにコートをする場合ならば320番以上は不要である)

Wet-sanding
 最終のクリア・ラッカー・コートが終わったら少なくとも1週間位(2〜3週間だったらさらに良いが)間をおくと、ラビングやバフィング、ポリッシングの前のウェット・サンディングに良い頃合いになってくる。ウェット・サンディングを始めるかどうか決めるための手がかりは、溶剤ベースの仕上げをしているのならば、その溶剤の臭いがしなくなったときが、ファイナル・サンディングの開始可能な時だということだ。水性塗料の場合、メーカが勧めるのと同じくらいの期間待つが、それからさらに少し長めに待つこと!フィニッシュが硬ければ硬いほど作業が楽になるし磨き上がりが良い状態になる。
 我々はウエット・サンディングにはCAMI規格のペーパは使用を避けるように勧めている。フィニッシュに簡単に傷をつけてしまい、余分なサンディングとバフィングをしなければならなくなるからだ。傷を付けるのを避けるために、ウェット・サンディング・ペーパはしばしば洗うようにしよう。最悪のシナリオは、前の段階に戻って傷を溶かすための、ラッカー・スプレーをすることになるし、それはバフィングに充分耐えられるだけの塗装を確実にすることをやり直すことでもある。もし、そうなってしまったら3Mのシリコン・カーバイド・ウェット・オア・ドライのペーパを使っているのならば、最低でも600番でサンディングすること。P規格を使っているのならば、もう少し細目の番手から始めること。
 ウェット・サンディングの前に、水かナフサ、あるいは鉱物アルコールのような潤滑剤にペーパを(できれば一晩)浸けておく必要がある。水が最も良いだろう。水では酔っぱらう心配がないし、削りカスを簡単に洗い流すことができる。サンディングの間は温かい湯(好みで少し石鹸を加えてもよい)を満たした深い容器で少なくとも30分ごとに作業で出た小さなカスを洗い流すと良いだろう。容器の中の水は時々取り替えること。サンドペーパは水の中で切削面を上に向けて親指の腹でゴミをしっかり取り除き、良くすすぐこと。
 我々はウェット・サンディングには水を勧める。と言うのも石油ベースの溶剤だと、発火の心配や毒性、好ましくない臭いなど不都合が明白だからだ。水はサンドペーパの潤滑剤になるし、サンドペーパの粒子の間にたまった、どんなフィニッシュ剤も洗い流すのである。ナフサは蒸発するのが早いので、水の代わりにナフサや鉱物性アルコールを利用するフィニッシャー(一般的に家具職人が多い)がいる。蒸発が早いのでペグ穴やピック・アップ・キャビティー、その他の水を防げない部分で、水がフィニッシュの下に入り込み、木を膨張させたり、フィニッシュに割れを作ったり、というような心配は少なくともしなくても良い。だが、一般的に水が木部にしみ込むということは心配しなくてもよい。もし開口部に総てマスキングをしてスプレーしたとしても、塗料の細かい霧は必ずあらゆる所に入り込んでいるはずだ。
 バフィング(Chpter9,step10ファイナル・ラビングとラビング・アウト参照)前の最終のウェット・サンディングでは、滑らかさを増すために、マーフィー・オイル・ソープのような液体石鹸を少し加えることができる。さらにフィニッシュにサンディングしようとするならば、石鹸は使わないでおくこと。