Guitars590’s blog

愚か者の力を馬鹿にしちゃあいけない。

 ニトロセルロースラッカー
 ニトロセルロースラッカーは、家具や楽器の製作に伝統的に用いられてきた一般的なウッド・ラッカーである。現在、ラッカーの使用を学ぶのであれば、溶解することによる変質が引き起こす問題は、さほど考えなくても良いだろう。それから、多くの同様のテクニックが他のフィニッシュに応用できるはずだ。
 クリアニトロセルロースラッカーはウォーターホワイトラッカーと呼ばれる。(ウォーターベース・ラッカーと混同してはいけない)ウォーターホワイトという呼び方はニトロセルロースのノン・イエロー・バージョンと経年変化で黄ばんだ古いラッカーを区別するための業界用語である。一般的にラッカーに求めるものは、透明性、硬質であるが扱う場合に柔軟であること、バフがけで高光沢になること、低温によるひび割れ(cold checking)の起こりにくさなどである。(cold checkingはラッカーフィニッシュに弾力性がなくなったときに起こる。冬のモンタナで週末に暖房の効かないUPSのトラックにギターを放置したら・・・フィニッシュはクラックでどうなるか想像がつくと思う)ギターフィニッシュのためのラッカーは、木を仕上げるためのものであり、金属には効果がない。(ラッカーはスプレーされる材料ごとに異なったものが用意されている)高硬質のラッカーはより早く仕上がるのでベストである。多くの家具用のラッカーは、18%〜28%の硬度を持っているが、中でも21%〜23%位の硬度を持ったものが一般的である。最近のレディー・トゥ・スプレーのギター用のラッカーは、薄めなくても使えるようになっている。

 ニトロセルロースラッカーの長所
・使いやすい
・多くのファクトリーメイドの楽器に利用されていてリペアしやすい
・早く乾き硬くなる
・高光沢を得るためのバフィングが楽である
・高級な音響特性を持つ

 短所
・ラッカーは揮発性有機化合物(VOCs)である。環境に有害であり、これら化学製品を 室内で利用することはフィニッシャーにとって注意すべきことである
・多量のラッカーをスプレーしなくてはならないので、用具設備にかなり多額のお金が必 要となる
・粗雑な扱いやいくつかの要素に対する耐性は十分とは言えない