Guitars590’s blog

愚か者の力を馬鹿にしちゃあいけない。

Reactive Finishes(反応を伴うフィニッシュ)
 リアクティブ・フィニッシュは浸透性のあるオイル、油性ワニス(最も一般的なリアクティブ・フィニッシュ)触媒ウレタン、アクリル、ポリエステル、ポリウレタンなどのフィニッシュを含むものである。それらは2つの方法のどちらかで乾燥し養生される。1つは、シンナー(薄め液)が蒸発するとき酸素と反応(酸化)して樹脂が重合する方法。もう1つは硬化剤(触媒)が使われ、上記のものが触媒作用を及ぼされる方法である。重合、触媒どちらの方法でも硬質な皮膜の中で化学薬品が密接に繋がり合う。これは水分や溶剤の分子が木の表面に染み込むスペースが無いということを意味している。塗膜が密接に繋がり合っているので、リアクティブ・フィニッシュは他の2つのタイプのフィニッシュと比べると、熱、溶剤、水分などに対して強固な塗膜を持っている。
 だが、リアクティブ・フィニッシュは整形するのが、より難しい。と言うのも、乾燥が遅く、上手にサンディングできないし、磨き上げるのも難しいし傷つかない。だから、前の塗膜に溶け込まない。最初の塗膜は次に加えられる塗膜の前に完全に乾いていなければならない。そして、塗膜と次の塗膜を作る間にサンディングを必ずすること。そうすれば、すべてのコートが互いに上手くくっつく。(オイルバーニッシュの様な)重合フィニッシュは、薄く形成されるべきである。というのは、塗面の上層から下層に向かって乾燥していくからだ。厚すぎるコートの一番上に表面が形成されるとすると、塗膜の残りの部分は、(どんな風にしても乾く触媒フィニッシュに比べ)問題を抱えた乾燥となる。
 リアクティブ・フィニッシュはサンディングや剥離などが難しい。(分子が)緊密に結びついたフィニッシュを剥がそうとすると、くたくたになり困ったことになる。おまけに、(分子が)緊密に結びついたフィニッシュは最もリペアが難しい。それは、それ自身を溶かした溶剤にも溶けないからだ。このフィニッシュにおこなうタッチアップでは、新しい塗りの部分と前の塗装面の境目に線状の跡が残るのだ。

オイル oil
 ギターフィニッシングには、様々なオイルのタイプが用いられる。ノンドライイング、セミドライイング、それからドライイングオイルである。鉱物油やフレンチポリッシングをするとき、シュラックの表面を磨くのに使われるパラフィンオイルなどは、ノンドライイングオイルと呼ばれる。これはフィニッシュの一部分として残るものではないが、ある程度まで、アルコールを使うことで気化させることができる。
 クルミ、ベニバナ(紅花)、大豆などのセミドライイングオイルは、合成オイルバーニッシュの製造過程で塗料へと形を変えられる。フレンチポリッシングの研磨材として、ノンドライイング・ミネラルオイルよりもクルミオイルを好むフィニッシャーもいる。彼らは、ウォルナット(クルミ)のセミドライイングオイルには硬さが加わっていると感じており、このオイルを使い、フレンチポリッシングの過程で、シュラック面の形成と同時に研磨する。ウォールナットクルミ)オイルは、パラフィンオイルや鉱物油などと同時に、フレンチポリッシングの蒸発の過程で完全には抜けることがない。
 桐油(とうゆ)や亜麻仁油として知られるドライイングオイルは、浸透するオイルフィニッシュの基本であり、工業製品として伝統的なオイルフィニッシュの基本でもある。それ自身、浸透するオイルフィニッシュとして利用され、手作業でフィニッシュを施され、利用しやすく、現代の工場でなされるフィルム・フィニッシュの様な濡れた輝きや、塗面の耐久力を求めないのであれば、多くの楽器のための確かな選択となり得る。多くの浸透性オイルフィニッシュは、煮沸し、重合した状態か、そのままの状態かで見かけられる。煮沸し重合した状態のものは、より早く乾く。
手作業でおこなわれるオイルフィニッシュは、忙しいフィニッシャー、スプレー用具のない人、シンプルな外観とその感じを好む人、数種類のエレキベースや多くの伝統的な楽器などに見られる艶消しのフィニッシュを好む人には良い選択となるだろう。だが、一般的にではあるが、私たちは、ハイパフォーマンスのアコースティック楽器にはオイルフィニッシュを勧めない。理由は、トップやバック、サイドは薄い塗膜で覆われるべきであり、オイルフィニッシュの様に木に染み込む代わりに、塗面がギターの表面にフィルムのような状態になるために早く乾き、ある程度の硬さがフィニッシュに要求されるからだ。ラッカーの様なフィニッシュは、音色を増大させ、ひっかきキズなどから楽器を保護し、薄い材のねじれや、割れ目の原因となる水分や油分が木に吸収されるのを防ぐ。