Guitars590’s blog

愚か者の力を馬鹿にしちゃあいけない。

Oil Vernish(油性ワニス)
 シュラックと並びオイルバーニッシュは楽器のフィニッシュとして最も早期から行われてきたものの一つである。ストラディバリウスをリスペクトしたメーカーの幾つかが、スピリットバーニッシュが使われていたと主張したとしても、ストラディバリウスにはオイルバーニッシュが用いられていたというのが大方の意見である。オイルバーニッシュは当時、幅広く用いられ、古い作品の多くを作るための定番フィニッシュだった。
 オイルバーニッシュは、扱いやすいように、ドライイングオイル(通常は亜麻仁油、桐油)と溶けたレジンから作られる反応フィニッシュ(reactive-finish)であり、ハケ塗りがしやすいように薄め液で薄められたものである。オイルとレジンの反応は酸素で起こる(重合)。つまり、薄め液が蒸発するにつれ、フィニッシュが乾き、フィルム状の塗膜を形成する過程で反応が起こる。
 オイルバーニッシュは音響的に素晴らしい特性をもった美しい外観をもたらすギターフィニッシュであるが、やや音が大きすぎるし、スプレーやハケ塗りをしにくい。そして、乾燥が遅い。小さなゴミは避けられない。だから熟練したフィニッシャーでも利用するのは難しい。光沢を得るためのバフィングは難しく、ラッカーほどリペアは楽ではない。だが、それを使うのが歴史的に正しいと考え、利用するフィニッシャーが、いまだに存在する。
 オイルバーニッシュの中のレジン(樹脂)は表面に留まる。溶剤が蒸発したり乾燥したり、融合したり、重合(反応)した後に、塗膜は形成される。レジンは乾燥した後、硬く保護的な塗装として残る。だが、琥珀、松ヤニ、damar、シュラック、コパル、ワニス、漆など昆虫や植物から抽出された伝統的な有機的なものを含め、過去ほどはオイルバーニッシュの種類は多くはない。バイオリンはこれらの天然樹脂から作られたオイルバーニッシュで一般的には塗装されていた。バイオリンの材料販売店などから、レディ・トゥ・ユースで販売されているオイルバーニッシュなどは、あなたのために調合されたものである。バイオリンに用いられている他のオイルバーニッシュのタイプは、テレピン油である。それは高度に精製されたturpentineと樹脂を加えずに温めた亜麻仁油を混ぜたものである。高純度のturpentineは、それ自身の樹脂から精製される。重合された亜麻仁油で化合させる。