Guitars590’s blog

愚か者の力を馬鹿にしちゃあいけない。

Splay carousels
 スプレー回転台、あるいはターンテーブルといったものは、普通、家具工房にある。参考例として、図示されているものは、フェンダーが60年代初期まで使っていたもののコピーである。円形の合板のテーブルには3つのキャスタが付いており、ワークベンチの上に置く。その中心は、ずれないようにテーブルにピンなどで止められている。ターンテーブルの形はスプレー作業中にスプレーし残しが無いように、この形になっているのだ。フェンダーはボディをターンテーブルに載せるのに、脚やスタンドの代わりに小さな釘を利用していた。

Nail-stands
 1962年か1963年より前、フェンダーターンテーブルの上の未乾燥のボディを保持するのに、仮のスタンドとしてギターの表面に3本の釘を打っていた。塗装職人はギターのバックとサイドをスプレーするために、表面側に釘を使ったのだ。彼らはジャック・カップ・ホールの側壁に60度の角度で釘を打った。(彼らは穴の縁を割らないような角度で打ったのだ)2本目の釘はしばしば木を割ることになったが、ネックポケットとフロントピックアップホールの間に打った。3本目はブリッジの低音弦寄りのやや前のほうのピックガードで隠れるあたりに打たれた。(写真参照)

Pipe stand with tube handle(チューブハンドルの付いたパイプスタンド)
 1962年以降、フェンダーはネックポケットに木ねじで止めた中空のスプレーハンドルを付けた90度のスタンドを時として利用した。ハンドルは当初は工房でボディを乾燥するのに利用されていた。まるでボディは木に吊るされた様な状態だった。どこかの時点で、誰かに中空のハンガーに見えたのだろう。そして、ハンガーとターンテーブルを合体させることを思いついたのだ。
 2本の18mm径のまっすぐなパイプ、継ぎ手、ターンテーブルの上に設置するためのフランジがあれば作ることができる。ボディを保持するパイプはネックポケットにねじで止められるように片方の端を平らに潰しておき、ドリルで穴を開けておくこと。ハンドルはネックポケットの低音弦側の2つの穴に2本のねじで止められる。サイズが合っていてシャープな木ねじは、ハンドルを保持するのに穴の内壁にきれいに入り込むので、抜いたときに傷が付かなくてすむ。チューブはスタンドに差し込む、するとスプレーのときに回転する自立スタンドになる。回転式のテーブルに組み合わせれば、作業は完全に終わったも同然だ。
 1962年〜1964年の間に、釘とハンドルの両方を使ったテクニックが考え出され、使われ始めた。テレを観察すれば気づくかもしれない。利用できる穴はピックガードの下、ねじ止めの内側、コントロールキャビティの壁面にもある。これらは、都合のいい場所にある。テレに関して言えば、筒穴にぴったりした「スティックハンドル」をサイドマウントジャックホールに差し込むことができるのだ。ボディを保持する方法は他にもまだまだある。工夫してみてほしい。