Guitars590’s blog

愚か者の力を馬鹿にしちゃあいけない。

 次に、欠陥箇所のリペア。フィラーに助けを求める前に、スチームテクニックを検討してみる。上記はほとんどの凹みと軽いかき傷を盛り上がらせる。木片が欠けていなければ、単純に押すだけである。必要なものは25〜40W位のハンダごてと、ハンダごてによって木が焦げるのを防いだり、蒸気が発生する過程で水分を補給するために使う汚れていない木綿の布だけだ。まず、きれいな水でキズを濡らす。次に、コテ先が直接木につかないように、凹みの上に濡れた木綿の布を狭い範囲で載せる。そして、蒸気を発生させる。木を包むように布を使ってはいけない。でないと、傷以外のところまで蒸気をあててしまう。結果は後でわかるだろう。2-3回試してみれば、常に素晴らしい結果が得られるようになるだろう。
 別の方法は、凹みに濡れた布の小さな切れ端を直接載せるやり方である。この、凹みに対するピンポイントの方法は、あなたがやりたい部分以上に蒸気をあてないための保証である。きれいで、インクのついていない、濡れた段ボールの小片を温めて利用するのも、よいやり方である。
 スチームが使えないあらゆる穴、欠けを埋める。トップフィニッシュが透明か不透明かによって、特定のフィラーが選択される。一般的な穴埋めの材料においては、Chapter 2で述べている。
 ウッドダフとパテが、小規模から中規模の穴埋めの材料として、一般的である。何層ものダフで穴を埋める。つぎのコートが行われる前に、それ以前のコートは乾いていなければならない。もし、その断片(部分)を着色するつもりであるならば、特定の染料に合うはずのウッドフィラーやダフを、当然、使うこと。不要な木片で試してみること。
 プロのような結果を出すために、埋められた部分に、木目を真似て細い線を描いても良い。全体的なフィニッシュを模して、色のついたグレインフィラーで埋める・・・それからまるで、本物の木目のように細かい線を処理していく。もちろん、埋めた線に重ねたり、線を隠したりするために、木目を描くというより木目を塗ってしまうこともできる。
 クリアフィニッシュを予定していて、クリアフィニッシュの下に補修の跡が見えるのを望まないのであるならば、模様(木目)の合ったウッドパッチで象眼(はめこみ)細工をする。周囲の木と共に、縮んだり膨張したりするので、最良の選択をして作ること。木は多様な方法で象眼(はめこみ)細工ができるが、プロのような出来上がりを得るために、練習が必要である。長円形やダイヤモンド形に作った小さなパッチは目立ちにくい。パッチが、ピックガードやブリッジ、楽器の周囲など「トリムライン」に近い場合、パッチをそれに沿わせたり、接着面を隠すために、それらの下にすることもできる。また、できるだけ木目に沿わせてパッチを当てること。ウッドパッチのための適切な接着剤の選択が、とても重要である。ホットグルーを使うのが接着の線を最も目立たせない。
 ナチュラルフィニッシュで染めていない木のちょっとしたリペアや、クリアシーラーコートで木から分離したカラートップコート層の下には、クリアーフィラー、エポキシ、スーパーグルー、ファイバーグラスレジンなどを利用することができる。滴の穴埋め(ドロップフィル)として一般的であるが、上記のものには、一旦フィニッシュが形成されると目には見えなくなることもあるし、場合によっては目立つこともある。これらの可視性は、木の色と木目の構造、ダメージの範囲、あなたの技術とこれまでの経験によって決まる。(異なったドロップフィルの素材によって、リペアされると同じ木でも異なった反応を起こすことは、知っておくべきだ。)シナリオの中で色を付け足す時、特に木地に着色してあったならば、クリアフィルは見えてしまう;色はダメージを受けた場所の砕けた木目に異なった比率で染み込む。ダメージを受けた場所と、その周辺とでは平均的な染み込みをしないからだ。
 暗く透明な着色されたラッカーの陰影剤を使って、クリアドロップフィルを覆い隠すつもりならば、とても上手く隠すことができる。というのは陰影剤には上手に隠すだけの力があるからだ。実際のリペアをしようとする前に、同じ木の別の木片でクリアフィルをやってみる練習をすること。結果に満足できたら続けなさい。
 ソリッドカラーフィニッシュ(塗りつぶし)では、埋めるリペアは木の栓が極端に縮んで、その跡が出ない限り見えない。よくマッチした接着された木の栓(象眼)は、周囲の木と共に縮んだり、膨張したりするが、最良の埋め込む修理の素材である。しかし、大きな穴には自動車のボディフィラーやスポットパテ、エポキシかファイバーグラスのレジンがよい働きをする。混ぜ合わされた自動車用のボディフィラーは、与えられた命令に従って仕事をする。つまり、穴を満たすためにパックされているのだ。平らにする前に完全に硬化してしまうので、隙間を完全に埋めることと、傷の壁の部分に完全に密着させることが重要である。
 バインディングの周りの凸凹をならす。自動車のバンパーと同じで、装飾的なバインディングは、ダメージから木の端の部分を守ってくれる。バインディングは、溝に接着されているので、木から簡単に剥がすことのできる長い連続した接着面を持っている。わずかな段差がフィニッシュ時にあったとするならば、結果は沈んだ線になる。これらの段差はすべて埋める必要があるし、この作業は簡単な部類に入る。
 バインディングの素材がプラスチックであれ、木であれ、関係なくアクリルウッドダフはバインディングと木の間の段差を埋める良い充填素材である。これらの段差は、通常、非常に狭く、段差と充填部分がきれいに清掃されていれば、特にその充填部分は見つけにくい。スーパーグルーは、木のバインディングの場合、小さな段差を埋めるのには非常に効果を発揮するが、スプルースや他の明るい木の近くに用いてはならない。理由は、スーパーグルーは染めることができないからだ。暗い色の木に付けたバインディングの修正や、ペイントの下になる部分、構造上の強度が必要な範囲でスーパーグルーは使うこと。
 バインディングの切れ端を溶かし、不完全なプラスチックバインディングを固定する。
隙間を埋めるための素材として、アセトンでバインディングを溶かし密着させることができる。(すべてのバインディングがアセトンで溶けるわけではない。例としてビニルは溶けない。)この接合は完全ではないがパッチを使ってつなぐことができるし、すり減ったり、欠けて無くなった部分を形成することもできる。末端の接合部は、その部分に溶けたバインディングが染み込んで、それをしっかりと拭き取ったとしても、きちっとくっつかないし、接合痕は消えない。もちろん接合部は清潔でホコリがあってはいけない。もし、接合部にホコリが入ったら、チゼルかスクレーパで、充填部が固まる前に掻き出しておかなければならない。