Guitars590’s blog

愚か者の力を馬鹿にしちゃあいけない。

Step2;Transparent Stains on BareWood
 透明な染色材での染色が、ここかあるいは後のステップ8で行われる。フィギュアド・ウッドで製作された最上級の楽器は、手で塗り広げられるか、スプレーで染められるかのどちらかで着色されるべき場所に部分的に着色される。ここで染められたサンバーストを増し、完全なものにするために、ラッカー陰影剤や色調材の形をとって、ステップ8で色を加えることができる。染色剤の中の色成分が木目の中に入り込んだり、フィニッシュ剤の中に留まるために、木の美しさと深みが強調されるのだ。
 木地の段階で着色がなされる時、それは愛しい労働である。けれども木地に明らかに染めてあるように見えても、時間を節約し誰でもできるように見えても、それは簡単ではない。あなたに染みを作らずに木地を染め上げる十分な技術があったとしても、沢山のためになることを実感するはずである。
 まず最初に、木地を染めるということは、ファイナルフィニッシュが薄くなるということを意味する。これはアコースティック楽器では確実にプラスであるが、ソリッドボディのフィニッシュにおいても同様に重要である。(レス・ポールをプレイする人にはトーンの素晴らしさがわかるだろう。)次に、木地に施された着色は、素晴らしい明澄さと、色の深さ、輝きを与える。着色は二流の木であってもゴージャスさを与えることができるのだ。最後になるがカーリーメイプルや他の高級なフィギュアド・ウッドに着色することは、それらの持つ信じられない程美しいパターンを引き立たせるのだ。
 不完全な作業のマイナス面は、特に充填剤(目止め剤)と接着剤のカスは、木地着色された木では、直ぐに目立ってしまうことである。(また)水性ステインは着色されたラッカー・シェイダー(陰影剤)に比較すると乾燥に時間がかかる。着色されたラッカー・シェイダー(陰影剤)は、すぐに乾くので生地に染み込むことなく、次に何層もの着色層を形成することができる。ラッカー・シンナーやアルコールを使うにせよ、生地への染み込みというのは(様々な手法で)目止めされたトップ、バック、サイドに使われる接着剤にとっては根本的な問題なのだ。
 アルコール・ステインは、湿っている部分や、木目の浮き上がりが克服できない問題点となっている部分には最適である。プライウッド・ラミネートギブソンES-335を仕上げる時を例にすると、ボディ材の最も外側の層は、工場で既に圧縮成形されている。アルコール・ステインは水のように木を濡らさないので、薄い木の層を剥がすことはないのだ。 もちろんアルコール・ステインにも固有の問題点はある。Chapter3で既に詳しく述べたとおりである。アルコール・ステインはラッカーのトップコートに溶け込む、これは木からにじみ出してきて、ラッカーの層の中に浮き出ることを意味する。もちろんバインディング上であってもだ。一旦、フィニッシュが形成されると、アルコール・ステインを使った塗装上のミスによるタッチアップは、水性ステイン染められた木ほどには、簡単ではない。というのは、アルコール・ステインによる着色は木の表面全体を取り囲むようなフィニッシュだからだ。ただ、アルコール・ステインは、木地を染めるときに、未だに確固たる地位を持っている(特に製造工場において)。それは、水性のものに比べてアルコール・ステインの乾燥が早いことと、木目を浮かせないこと、が理由である。アルコールステインは手作業に合っている。オールドスタイルのサンバーストにも合っている。しかし、スプレーで作業されることの方が多い。