Guitars590’s blog

愚か者の力を馬鹿にしちゃあいけない。

Final sanding(ファイナルサンディング)
 Chapter8のサンディングの項目を読むこと。そして、180番あるいは220番(280番から320番をスプルースやシダートップには用いること。)のペーパで、木目の方向にファイナルサンディングをおこなう。圧縮空気を使う場合、木部にホースが触れたり傷を付けたりしないように注意すること。

Final inspection ,checking,and degreasing(最終点検、清掃、脱脂)
 あなたが適切な作業をここまでおこなってきていたとすれば、最終点検は長くはかからない。この後おこなわれるフィニッシュ作業の問題点の原因となるであろう総ての事柄に対して冷静に見つけ出すこと。ナフサで濡らした布で楽器全体を軽く拭き上げ、脱脂することで、綿密な調査を完了させる。ホコリの粒子を上手く貼り付ける粘着性を持ったタッククロスを使用するフィニッシャーもいる。タッククロスは、木に強く押しつけなければ素晴らしい働きをするが、注意深くおこなわないと逆にゴミを付着させることになる。
 きれいなハケは、開いた導管の中に隠れている細かな切りカスを取り除くには最適であるが、圧縮空気を利用するのがベストである。一旦楽器をきれいにしたら、手をごしごし洗わない限り、手袋をせずに楽器に触れてはいけない。鼻や顔に触れたら、手に付いた油分を洗い落とすこと。フィニッシングモードに入ったら、ドアの取っ手、電話の受話器、電気のスイッチなど誰かが触れた後に、あなたが触れなければならないような部分は、できる限り脱脂すること。その誰かは、あなたに会う前にハンバーガーやポテトチップスを食べた後かもしれないし、アーマオールを塗ったギターケースを使っているかもしれない。

Masking off the instrument (楽器のマスキング)
 マスキングは木の準備段階の最終ステップである。ステップの2では着色をしたくない場所にマスキングをする。(オールナチュラルフィニッシュを施される楽器であっても、多少のマスキングは必要である・・・ナットと指板くらいではあるが)製造工場のフィニッシャーの中には(Gibsonが有名である)プラスチックバインディングにマスキングをせずに、後からスクレーパで色を落とすことを選ぶ者がいる。(その場合、もちろん少量のプラスチックも掻き落とされるのだが)これはバインディングのあるギブソンの楽器総てに施されるクリアラッカーを塗られたバインディングであり、有名な「崖」(ledge)と呼ばれるものだ。(初期のギブソンマンドリンフィニッシュは除く、これはバインディング上にはフィニッシュが施されていないかのように見える・・・前もってバインディングのスクレーピングを最後におこなうと決められていたかに見える)ヘビーなスクレーピングは、新しいギターの製作では許容できるが、既にバインディングにスクレーピングがなされ、それほどプラスチックが残っていないようなリフィニッシング作業では、多分許容できないだろう。だから、多くの小さい工房のフィニッシャーは注意深くマスキングすることに時間を割くのだ。
 トップ、バック、ネック、サイドなどの広い範囲をきれいな紙で覆い隠す(新聞紙はきれいな木の表面を汚す)、そして、エッジの部分にだけテープを使う。シールされていないスプルースや同類の木など、木地の部分には粘着力の強いテープを貼り付けることは避ける。というのは、それを剥がそうとする時に、テープが涙のように小さな木を一緒に剥がすからだ。・・・まず、スプルースやそれに似た木にはシールをすること。
 我々は通常、バインディングの広く出ている側にはマスキングをするが、トップエッジの方にはマスキングしない(スクレーピングが楽にできるから)。広く何層にもなったバインディングは話が別である。「ダブルテープ」の技を使う。1/8インチか1/4インチのラテックステープを先ずトップ面に貼る。指先や親指の爪を使い、カーブに沿ってテープをしっかりと表面に貼る。次にバインディングの側面にテープを貼り、最初に貼ったテープの上に重なるように、きっちりと折り返す。
 マスキングは後に強い暗色を塗る際のルールとしては、色を故意にバインディングにはみ出させるために、ほんの少しバインディングが見えるようにマスキングすることだ。バインディングの高さに不揃いがあったり、スクレーパーを滑らせてしまったり、木地にまで届くようなスクレーピングをしたくないときに、常に暗色の部分にスクレーピングをするようにするためだ。間違って木地までスクレーピングすれば、色は簡単に剥がれるが、タッチアップで修正できる(できるだけ避けたいが)。
 「クイックマスク」とは限られた場所への臨時の低粘度の素早いマスキングのことだ。クイックマスキングをするとき、テープの粘度を下げるため、服にテープを押しつけることがある。2インチ位の幅の広いマスキングテープや、看板職人の使うようなテープはクイックマスキングには最適である。というのは、一度に広い範囲をカバーできるからだ。接合部やバインディングに沿って、テープのエッジ部分を真っ直ぐにきれいに貼らなければならない場合を除いて、クイックマスキングの時には必要以上に注意深くなることはない。クイックマスキングの例としては、ペグヘッドに黒いラッカーを塗るとき、サイドにマスキングを施すとき、といった場合があげられるだろう。
 後の段階で、着色をする予定があったとしても、これらのマスキングテクニックが同じように使える。どのような工程であっても、次に作業の行われる部分を選び、マスキングをすることだ。Chapter4の「マスキング用具(masking Supplies)」の項で説明した用具を使うこと。
・ペグヘッド・オーバーレイ(peghead overlays):染めたり塗ったりした自然の木のベニ ヤでヘッドを守る。ペグヘッドの表面を黒く塗りたければ、ペグヘッドの表面以外のす べての部分をマスキングする。
・ペグヘッド・インレイ(peghead inleys):インレイからスクレーピングで色を掻き取る よりもマスキングをすることを好む者もいるが、両方のコンビネーションで処理するこ ともある。ギブソンのペグヘッドを塗るとすると、我々はGibsonの文字の部分にマスキ ングをしようとは思わない。(退屈なだけだ)スクレーピングを選ぶ。しかしおそらく、 シンプルなクラウンインレイならばマスキングをするだろう。
・楽器のトップ、表面(instument top、or face):バックやサイド材とトップ材が異なっ た場合は常に染めたり着色したり、グレインフィラーを使ったりする間、バインディン グに沿ってトップ材をマスキングする。
・指板と指板のエッジ(端)(fretboard and fretboardedges):指板と指板のバインディング は常にマスキングする。
・FホールとFホールのバインディング:これらの部分はスクレーピングがしにくいの  で、マスキングをするのが良い。マスキングはFホールからボディの内側にスプレー塗 料が入り込むのを防いでくれる。
サウンドホール:常に楽器の内側はラッカースプレーから守られているべきである。ボ ディに新聞紙を詰め込むことで、ギターの内側をマスクする。もちろん、サウンドホー ルに完全に詰め込むのだ。プロフェッショナルな塞ぎ方は以下の通りである。真ん中を テープでヒンジ状にした直径4と5/16インチの円盤状のカードを用意し、サウンドホ ールの中に入れる。ギターの内側から風船を膨らませ、サウンドホールの内側に円盤状 のカードを固定する。