Guitars590’s blog

愚か者の力を馬鹿にしちゃあいけない。

Layering the colors of a sunburst(サンバーストの色の層を作る)
 我々が知る限り、色の層を施すための正しい順番というものはない。我々の多くは、バーストの真ん中をより明るくすることから始める。通常は黄色かアンバーである。その後、ミディアムにして、端の方に向かって暗くしていく。レシピセクションでは、我々は色をスプレーするときの順番をリストにした。しかし、紙の上や木などに、赤、茶、黄、金、黒などをスプレーする練習をして、あなた独自の作風(手法)を開発していって欲しい。茶の上に赤をスプレーすると、赤の上に茶をスプレーしたのとは異なって見えるし、黄のベースコートの上に暗い色をスプレーするのと、着色していない木にまず暗いサンバーストをして黄のトップコートをしたのとは微妙に異なって見える。
 バーモントのバーリントンで行われた1997年ASIA SYMPOSIUMのフィニッシング・フォーラム・ディスカッションで、ギブソンのモンタナ工場で作られたアコースティックには、まず暗い陰影剤でサンバーストされ、それからクリアコーティングの前に全体を黄色の色調剤でスプレーした、という話を興味深く聞いた。出席していたあるエキスパートもまた、ギブソンは昔そういうやり方で陰影をつけていたに違いないと感じていた。この方法が、多くのフィニッシャーが行うのと全く逆の方法ではあっても、ギブソンモンタナ工場の現代フラットトップフィニッシュは、疑いなく凄い外観である。この方法論をテストするために、ダメージを受けてしまったギブソンの楽器の塗装をいくつも剥がしてみた。1930年代中期のダークサンバースト、1940年代のマホガニーに施したゴールデンイエローとタバコサンバーストのもの、それから部分的にリフィニッシュされた1950年代のL5を含む楽器である。我々は、塗りの順番を「確実にこの順番であった。」と言うことはできなかった。それは、塗膜が相互に溶け合ってしまっていたからだ。しかし、以下の点について分かったので、塗装を剥がしたことには価値があった。
○1935年L00:これは小さな金のセンターにほとんど黒に近いサンバーストをしてあるだけである。黒のラッカー陰影剤が木地に(あるいは生地に染み込んでしまったシーラーコートの上に)明確に最初に施されていた。そして、黒の上にアンバーコートがある。
○1940年マホガニースチールギター):木地(あるいは生地に染み込んでしまったシーラ)の上に赤と茶のタバコの陰影剤、その上に黄の色調剤、その上にクリアラッカー。
○1952年L5:生地にクリアシーラのはっきりとしたコート、この上に黄色の色調剤、その上に赤と茶のタバコ陰影剤、一番上にクリアトップコート。バーストの中心に暗い色が飛び散るのを避けるために、中心から外側に向かってスプレーするのは最も適切であると思えるし、暗い色の端部に向かって段階的な変化を付けるのにも適切である。だが、我々は中心に暗い飛び散りのあるサンバーストを見かけることがある。これは、フィニッシャーが、飛び散りを作るような汚れたガン、あるいは塗料を適切に気化させられないガンで、外側から内側に向かってスプレーしたことを示唆する。
 飛び散ってしまったフィニッシュをやり直したい、と思う場面があるかもしれない。友よ、難しくはない。我々に尋ねてくれ!(それができないなら)より気化された霧を作るために、絞る方向のセッティングで高い圧でスプレーするだけでなく、ギターにスプレーガンを向ける前に、スプレーガンの引き金を引くことで飛び散りを防ぐこと。そして、トリガーを離す前にギターからガンを離すこと。一旦楽器に向けたら、サンバーストが台無しになろうが、他に理由があろうが、スプレーを止めてはいけない。落ち込むようなことがあっても、ミスはより濃いサンバーストが隠してくれるし、(簡単ではないが)シーラーコートの層まで薄め液を利用してきれいに拭き取ればいい。他の方法は乾燥するまで待って、クリアコートの層の上まで色の層をサンディングすることだ。そして、最初からやり直す。これらの事柄(問題)を好ましいと思う者はいない;一度でやりとげてしまいたいものである。
 サンバーストは複数の層で構成されているので、最終フィニッシュを厚くしすぎないためにも、それぞれの層をできる限り薄く保ちたい。もちろん、あなたの望む効果を得るためや、色の強さを構成するために、後から過度のコートを必要としない程度には色は強くあるべきである。
 それぞれの色に個別のスプレーガンを持たない小さなショップにとって、サンバーストの真ん中を明るい色で塗り始め、外側に向かってだんだん色を濃くしていくというやり方は、最後に一度だけガンを洗えば良いという点で、大きな利点となる。(黄・赤・茶・黒など)それぞれの色をそれぞれの入れ物(カン)に戻し、次の段階のより暗い色調剤をスプレーガンに正しく入れればよい。

Dealing with the binding(バインディングを扱う)
 総てのマスキングを取り除き、はみ出た塗料をスクレーピングしたら、リフィニッシュワークにおいては、ここでビンテージルックにするためのバインディングの色調を整える。また、新しい楽器では、白いバインディングの明るいトーンを少しおとす。これをおこなうには多くの方法があるが、最も簡単なのは、金色の色調剤を全体にスプレーすることだ。外観を得るために、マスキングなどは全く必要としない。
 もし楽器全体に色調が欲しくないのであるなら、エアブラシでバインディングに直接色調をスプレーする。(そしてオーバースプレーはそのままにしておく)暗い色、とりわけ赤や茶、それから黒のサンバーストの上では、暗い塗料の上の黄色の色調剤の僅かなオーバースプレーは、気づかれないものである。だが、白、パステル、ゴールドトップのギターでは、ギターの周囲の2番目のゴールドサンバーストとして見えてしまう。これを避けるため、色調剤をスプレーする前に、テープや紙でバインディング以外のすべての部分をマスキングすることだ。単純にバインディングの部分だけ入れ替えて、周囲のフィニッシュにマッチさせたいというリペアにおいても、必要になる。マスキングをする場合、マスキングをする前に1回か2回のクリアラッカーを使うことで、着色された部分をロックしておく必要がある。テープはオールドギターからフィニッシュや色を剥がしてしまう。それだけでなく、柔らかいカラーコートでは特にそうなのだが、テープの中の溶剤で奇妙な跡を残してしまう。
 色調剤の厚みでバインディングは高くなるので、バインディング色調剤を薄く保つことで、塗料面のうね(畝)や跡を避ける。かなりの薄め液を使うこと。言ってしまうと、ラッカー1に対して薄め液が9くらい。バインディングを直接染めるにせよ、バインディングにラッカーを塗るにせよ、アルコールであれ、薄め液であれ、くいつきが良いので、欲しい色の強さに簡単にたどり着けるはずだ。実際、ここでの危険は強すぎる色を得てしまうことだ。