Guitars590’s blog

愚か者の力を馬鹿にしちゃあいけない。

20の段階でチューブアンプの配線をする

ジェラルド・ウェーバーの著書から部分抜粋
これを知っていれば、苦労しなかったものを・・・。
STEP1 あらゆるモノのすべてに先立って、シャーシの工作を済ませておくこと。
こりゃあ当然と言えば当然。途中で金属加工をしよう、なんて誰も思わないし、金属粉がパーツのショートを引き起こしたりするからねぇ。
STEP2 チューブソケットを取り付ける
サイズに合ったボルトとナットを使うこと。締めたらマニキュアなどをネジ山に塗っておくとネジが緩むのを防いでくれるかも。(昔の日本のアンプなどでは、白いペンキの様なモノが使われていますね。)
STEP3 パイロットランプをつける
当然、6.3Vのパイロットランプを使うこと。(まぁ、当然の選択と言えますね。)
STEP4 ツイスト・ペア(2本の線を撚った)にしたフィラメントヒーターワイヤーを取り付ける。
これは、パイロットランプからチューブソケットに繋げていく。6.3Vのライン。うーん、ここで失敗したのだ。こいつを最後にしたので、配線がやりにくかった。次回の製作に向けての反省。ジェラルド・ウェーバーは白と黒のワイヤーを使って、パイロットランプの側から始めていくそうである。左利きでもない限り、右から始めるのは、きっとやりにくいはずだ。(この場合、シャーシはボリュームなどパネルのあるほうを自分から離れた側にして、リアパネルを手前にしておいてあるという前提である。左側に電源トランスがくる。)彼は黒のワイヤーは出力管なら2番ピンへ繋ぎ、次のパワー管にも黒を2番ピンに繋ぐ。白のワイヤーは7番ピン、などのように決めているそうだ。決して、2番に繋いだ後、それが7番に繋がるということをしないらしい。プリアンプチューブに向けて、さらに配線していく。
STEP5 サブ・アッセンブリを作る
アンプによって(回路によって)アッセンブリ・ボードはことなる。例えば5F1などは1枚のボーで済むし、ツインリバーブはレクチファイヤー・ボードとキャパシターボード、メインの基板が分かれている。組み込んでから、これらの基板を組み立てようとすると、まず、できない。
STEP6 シャーシに取り付ける残りのモノを取り付ける。
ジャックやスイッチ、ヒューズホルダ、それから・・・。考えられるモノ。リバーブスイッチの端子とか。
STEP7 サブアッセンブリをケースの中に取り付ける。
STEP8 電源トランスを取り付ける
だけどまだ、配線をしてはいけない。次の段階で必要になるシャーシのグラウンド(アース)をとるのに、シャーシの中にトランスが必要になるからだ。
STEP9 シャーシのすべてのグラウンド(アース)をとる。
配管工が使うような180W!のハンダごてをジェラルド・ウェーバーは使っているそうだ。あるんかい!そんなハンダごて。完璧にシャーシにハンダ付けするのに充分な容量があるからだそうだ。さすがアメリカ。ジェラルド・ウェーバーは、このハンダごてで予めシャーシを予熱しておき、その後、おもむろにワイヤーをハンダ付けするんだそうだ。実は、私はこの作業を最後に持ってきてしまった。失敗である。あいている小さな穴に卵ラグを付けてハンダ付けをしようと思っています。しかし、180Wのハンダごてで予熱したシャーシは、かなり熱を持つと思う。やけどに気をつけよう。当然、電源トランスのグラウンドも済ます。
STEP10 配線だけどさぁ
インプットジャックから始めて、シャーシのパネルにあるすべてのモノの配線をする。この場合、普通、インプットジャック、ボリュームコントロール、トーンコントロールなどを含む。そらそうだ!
STEP11 インプット回路とプリ管を結びつけ始める
続いてすべてのチューブソケットに配線する。最初の真空管のソケットが終わったら、2番目・3番目と進めて、完全にソケットへの配線を終わらせる。
STEP12 作業を中断する
回路図と見比べ2度チェックする。何本か配線がされないでいる部分があるかもしれないが、作業を再開する前に必ず2度チェックをすること。これはとても大事ですねぇ。最後にチェックすればいいと思うかもしれないが、作業の部分部分でチェックしていったほうが楽だし、確実性が増してくるよね。
STEP13 出力トランスを取り付け、配線する
チョークトランスも忘れずに。
STEP14 まだしていなかったらフィルターコンデンサの配線をする
ツインリバーブなどは、シャーシの内側でなく外側に取り付ける。ここからの配線は意外とメンドウ!
STEP15 電源トランスの配線をする
指定された場所に正確に
STEP16 ACコードの取り付け
グリーンのグランドワイヤーは、シャーシに繋げる。小さなボルトとナットを使い卵ラグをシャーシに止め、ラグにグリーンのワイヤーを取り付ける(ハンダ付けする)のが良い方法だと思う。重ねて言うが、ナットを止めるのにマニキュアを使うのがよい。(なるほどねぇ。ウェーバーさんは慎重です。)
STEP17 チェックをする
作業を後戻りするように、一度以上チェックをする。ハンダ付けの箇所が違っていないか、ハンダ付けが失敗していないか、金属粉が散らばっていないか、ハンダクズが散らばっていないか、とにかく見える間違いがないか探しまくる。
STEP18 真空管を取り付ける
STEP19 電源が入るかチェック
ここで、ジェラルド・ウェーバーカレントリミッターという道具を使っている。(持っていなければ作れ!とまで言っている。だからそのうち作るかも?)もし配線が間違っていたら、200ドルもするトランスがいっぺんにブローしてしまう。カレントリミッターがあれば何も燃え上がらないことを保証する。(これはジェラルド・ウェーバーが言っています。)あなたはショートをチェックしています。もしショートしていたら、カレントリミッターは明るく輝きます。そうしたら、あなたは闇雲に原因を究明する前に、ショートのトラブルシュートをする必要に駆られるでしょう。もし、ショートが見つからなかったら、出力管のグリッドをチェックしよう。(6L6、5881、7581A、6V6、EL34、KT66、KT77、KT88、6550だったら5番ピン)5番ピンとグラウンドの間のマイナス電圧を電圧計を使ってチェックしましょう。(なるほど)あなたはネガティブバイアス電圧を得ていますが、確実な電圧が欲しいですね。カソードバイアスのアンプの場合、出力管のグリッドのネガティブバイアス電圧を気にする必要はありません。(なるほど)
STEP20 バイアスを調整し(うまくいけば)プレイしよう
もし、プレイできなければ、STEP17に戻り1回以上すべてをチェックしましょう。本当にゆっくりとじっくりと観察することで通常は何らかのミスを発見できるはずだ。もしも、アンプが何の信号も発していなければ、真空管の電圧をチェックする必要があるだろう。すべての真空管のプレート電圧を確実に測定しよう。すべての真空管に電圧があり、それでも信号が出なかったら、入力信号の通り道をインプットからアウトプットまで辿る必要がある。そして、信号がどこで止まっているか見つける必要がある。信号の通り道を辿るにはシグナルジェネレータとシグナルトレーサを利用することで可能である。(この辺の道具もジェラルド・ウェーバーは自作している)

ふーむ、以上見てきたが、なかなか含蓄に富んでいる。もうちょっと早くに見ていればなぁ。なお、補足だが、ジェラルド・ウェーバーはSTEP4のフィラメントヒーターを配線するとき、空中配線ではなく、シャーシに沿って配線している。今回、私のDELUXE REVERBは順番を間違えたので空中にこの配線が浮かんでいる。昨日の写真で確認できる。シルバーフェイスなどは、フェンダーのアンプは空配線になっているのだが・・・。この結果がどうなるかは完成して音出ししなくては分からない。