Guitars590’s blog

愚か者の力を馬鹿にしちゃあいけない。

CLEAR FINISH AS A FILLER(目止めとしてのクリア吹き)
 クリアラッカー(あるいは他のクリアフィニッシュ)は木目(導管)を埋めるグレインフィラーの代わりに使うことができる。クリアで木目(導管)をうめられたものは、ナチュラルカラーに見えるし、深みと透明感を感じることができる。しかし、そうは言っても、開いている木目(導管)をクリアで埋めるのは根気と努力のいる仕事である。そして、ギター製作をする上では伝統的な手法ではないということを承知しておくべきである。そのタイプの方法でやる場合、木部の準備は欠点なく仕上げておかなければならない。と言うのも、ミスを隠すことができないからだ。木部・下地のほんの小さな傷であってもだ。
 木目(導管)を埋めるために、メーカーではステインフィラーではなく、トランスペアレント・フィニッシュを用いる。溶剤ベース(solvent-base) でなく、一般的には触媒 (catalyzed-finish) を使うことを選ぶ。というのも、素早く木目(導管)を埋めるし、縮まないからだ。一例を挙げると「アレンビック」のもっとも美しいベースギターの何種類かは、ステインではなく、透明なポリエステルの触媒で木目(導管)が埋められている。
 前述したように、フィラーとしてラッカーを用い、透明感を持たせる仕事は、とても忍耐が必要だ。ラッカーは開いた木目(導管)に吸い込まれるように消えてしまう。吹き付けるたびに、木目(導管)の中で前に吹かれたものが柔らかくなり、膨らみ、そして収縮することを繰り返すのだ。最終的に木目(導管)が埋められた後、縮みが出る傾向がある。だから最終的には数日後に再度吹き付けるべきだろう。ベストな仕上がりにするために、クリアラッカーか精製されたシュラック(セラック)を使うべきである。繰り返し吹いて、木をペーパーがけし、完全に木目(導管)が埋まっているかチェックした方が良い。木目(導管)が埋まるまで、何度でも吹こう。そしてそれから全体にぺーパーをかける。しかし、パーパーがけで仕上げるのに、もう一手間か二手間かけるつもりでいた方がよい。木目(導管)が埋められ、平面が出ても、縮みを計算に入れて仕上げに進むのを待とう。(これで大丈夫、と思ってから、さらに2から3回塗ると考えた方がよい。これが一手間二手間である)最終的に、急ぐのでなければ、木目(導管)が完全に埋まって、平面を出してから、一週間くらい様子を見るべきである。

ADVANTAGES OF USING FINISH AS FILLER(フィラーとしてクリアを使う長所)
・グレインフィラーを利用することによる、予想される諸問題は避けられるだろう。
・木の持つ美しさや自然な見え方は損なわれずに、木目(導管)はくっきりして見える。

DISADVANTAGES
・溶剤ベース(solvent-base)のクリアはどうしても縮みが出る。だから表面がスムーズに 仕上がっても木目(導管)が粒跡のように表れることがある。