Guitars590’s blog

愚か者の力を馬鹿にしちゃあいけない。

皆様いかがお過ごしでしょうか?
今日からChapter2になります。
実際の塗装の解説までもう少しありますがおつきあいください。
でも、本当に日本にはこういう教科書ありませんよね。


chapter 2

Grain Filler、Wood Putty、and Wood Dough
 
 私たちは、ギターやベースのフィニッシュが平らであるべきだと思っている。木目(導管)の開いた木をギター製作に利用すると、仕上げの時に木目(導管)がしずみこんで、小さな沢山のへこみができたり、塗装面が波打ったりすることがある。私たちは、そういった事から解放されたいと思っている。逆光に透かしてみて鏡面仕上げになっているか確かめてみたりもする。しかし、楽器のフィニッシュについて鑑定家や特別なプレイヤーに説明したりすることはとても難しいし、完全なピアノの表面のように仕上げることさえ難しい。
 ギター製作に用いられるアッシュやローズウッド、マホガニ、ウォルナットなどの堅い木材は木目(導管)が開いている。だから表面を平らに仕上げる前に、表面の木の繊維が表面と同じレベルで平らになっていなければならない。オイルフィニッシュにしたり、ひび割れた感じの仕上げにしたりする以外は、埋めていない導管は窪みを作り、仕上げを損ねたりするし、塗料を吹いたときに気泡を作ったり、ピンホールの原因になったりする。まあ、導管は我々にワナを仕掛けているようなものである。ソフト・トーンウッド(スプルース、アルダー、いとすぎ(和名:ヒノキ、シダー)やスムース・ハードウッド(桜やメイプル、エボニーなど)は導管が閉じているので埋める必要はない。
 一般的にギター製作をする場合、グレインフィラーを利用することや、仕上がりの段階までクリア吹きとサンディングを繰り返すことで導管を埋めている。どちらのやり方でも、トップコートができるところまで平らにできればいいのだが、グレインフィラーを利用した方が早いし簡単である。また、グレインフィラーを利用すると伝統的な仕上がりに近づけるし、クリア吹きとサンディングを繰り返す方法よりも塗料の縮みが少ない。導管を埋める方法としてクリアを利用する場合については、この章では簡単に検討してみるのみとする。
 クラシックギター製作時のテクニックとして、シュラック(セラック)を利用して表面を平らに仕上げるフレンチポリッシュの方法やオイルフィニッシュ、粉状にした軽石で木の繊維を砕き、導管に詰めたりするやり方を選択することもできる。しかし、この章ではフレンチポリッシュのテクニックの細部は扱わない。

 以下の章で、グレインフィラーとクリア吹きによる導管の埋め方を説明していく。