Guitars590’s blog

愚か者の力を馬鹿にしちゃあいけない。

Tung oil/Linseed oil 桐油(とうゆ)/亜麻仁油
 純粋な(重合されていない)桐油と亜麻仁油は、輝きが無く、艶消しで、重合された油よりゆっくりと乾く。そうは言っても、あなたが3〜5回位これらの油を塗り上げる時間があり、磨く時間があるのなら、光沢を得ることができる。ギタービルダーは、サウンドボックスの部分には、オイルフィニッシュを使わないが、ネックの部分に桐油でフィニッシュすることは・・特にメイプルで作られたネックは・・木の質感というものがプレイヤーの手に直接触れるので、恩恵を受けることがある。

Polymerized tung oil/Linseed oil
 摂氏260℃まで熱せられた重合されたドライイングオイルは光沢が増す。そして、空気と触れることで、養生速度が速くなる。これは「gunstock」フィニッシュと呼ばれ、「Tru-Oil」がよく知られたブランドである。もし、何層もコーティングするのなら、このフィニッシュ方法は、素晴らしい防御層をもたらしてくれる。早く乾き硬質であり、良い光沢があり、深く浸透しすぎない。フィニッシュの良い感じを持ちつつ自然の木の感触を残しているので、ネックのシンプルなフィニッシュになることができる。

Danish oil(デンマークオイル)
 様々な乾燥剤や薄め液、ワニス樹脂を自然の桐油や亜麻仁油に加え、工業製品として作られた化合オイルやワニスのことをDanish oilと呼ぶ。Danish oilはそれ自体にフィニッシュ成分を含んでいるので、桐油よりは早く塗膜を生成する。そして、コートは1回という場合も良くある。ワニス成分が加わっているので、仕上がりは桐油単体で行われたものよりも光沢を持つ。

Gel finish(ジェルフィニッシュ)
 ジェルフィニッシュ、とは言うものの、実はオイルではなく、浸透オイルのカテゴリーになってしまうが、ハイテク・ポリウレタンである。ジェルフィニッシュは手作業でおこなうことができ、浸透オイルに近い結果が得られる(我々の意見としては浸透オイルより良い)。浸透オイルの仕上がりと外見や触れた感じはそっくりである。ジェルフィニッシュというのは、特に初心者にとって、これまで紹介してきたフィニッシュ方法よりも簡単で、万能のフィニッシュである。セミグロスになるまで磨き上げることもできるし、磨かずにそのままでオイル仕上げのように、素敵なステインフィニッシュにもできる。
 ジェルフィニッシュは、素早く乾き、乾くと硬くなり、あまり深くは染み込まず、素晴らしい塗膜を生成する。だから、アコースティックギターのフィニッシュとして考慮することができる。

"Hi-tech"フィニッシュ(ポリエステルとポリウレタン)
 「ポリ」はバイクや自動車の多くの塗装業者に使われているハイテクフィニッシュである。「ポリ」フィニッシュは、強い塗膜と、生成が素早いこと、サンディングが簡単なこと、光沢が得やすいなどの理由から、多くの大きなギター工場・・特に海外(アメリカから見た)の工場・・で使われている。ポリフィニッシュは、触媒フィニッシュなので、わずかか、あるいはほとんど薄め液を必要としないので、揮発性有機化合物をローレベルで放出するだけである。(そして何より環境に有害であることが少ない)とは言え、ポリエステルとポリウレタンは、複雑な道具類や、素早い道具の清掃を必要とし、非常に有害な硬化剤や触媒を扱わなければならないので、この本の多くの読者が必要とするフィニッシュではないと思うし、この本の趣旨から外れる。読者の住むエリアの自動車やバイクの塗装業者に相談すれば、ハイテクフィニッシュについて学ぶことができるだろう。