Guitars590’s blog

愚か者の力を馬鹿にしちゃあいけない。

Grain Filler Colors
 ギター製作において、もっともありふれたフィラー・カラーはウォールナットマホガニー・しばしばナチュラルと言った色調である。多くのリペア・ショップや工房は、ミディアム・ブラウン・マホガニーあるいはレッド・ブラウン・マホガニーナチュラル、をストックしている。それから働き者のエクストラ・ダーク・ブラウン(焼けたアンバー色)ウォールナットフィラー(これはギブソン、マーチン両方に対応できる)もストックしている。
 ニュートラルとは、オイルベース・水性ベース両方のグレインフィラーの自然な成分から自然なタン・カラーの柔らかな濃淡を得ることをいう。家具づくりなどの仕上げには、エルム、オーク、コリーナ、それからアッシュなどの明るい材料では、ニュートラル・フィニッシュが用いられる。ギター製作においては、本当にありふれた仕上げかたで、ニュートラル・カラーとも呼ばれる。アッシュ・ボディーのフェンダー・ギターのフィニッシュで、ナチュラルあるいはブロンドのフィニッシュにおいてニュートラル・フィニッシュは使われる。しかし、実はニュートラルなグレインフィラーに着色しなければ、あのフェンダーの色は出せない。バタースコッチの自然な陰影(色調)を望むなら、ニュートラルなフィラーに少し黄色と茶色を加えることになる。だが、一般的にいろいろな色に応じてグレインフィラーは使われる。うまくいく見込みがないのにたくさんのピグメントを加えて、劇的にグレインフィラーの色を変えようとしたりする。工場ではハイスピード・ミキサーを使って工程の早い段階でピグメントを加えている。手作業でフィラーに色を加えて好みの色を作ろうとすると、難しい。色を加えすぎると、乾燥の段階で粉状になりがちで、乾燥時間が変わったり、木の表面にカラーピグメントが、濃く染みのように残ったりする。

Filler colorants(着色材)
 Chapter3で説明するが、フィラー着色材は、一般的にdye(染料・透明)というよりもpigment(顔料・不透明)を指す。それはdyeが木目(導管)を取り囲むように作用するのに対し、pigmentがそういう傾向を持たないからだ。ただ、このルールには例外がある。木地のままのマホガニーに着色した,1950年代と1960年代のギブソンチェリー・レッドフィラーがその例外だ。ギブソンの赤いフィラーは染料として、ステインとピグメントの両方が使われていた。ピグメントは木目(導管)に色付けをして、ステインは木目(導管)でない部分に色付けをしていた。この使用方法は結果としてクリアーにステインが混ぜられて、利用されたことで、ラッカーと結び付いたときに、長期間にわたるゆっくりしたフィニッシュの変化をもたらした。
 多くの油性グレインフィラーは、できあいの色としては満足のいくものになってきた。アーチスト・オイルカラーやジャパン・カラー、ユニバーサル・ティニング・カラー(UTC)などを利用して、あなたが必要な色を作ろうとして、販売店を利用するのは当然である。ジャパン・カラーやアーティスト・オイルは油性なので都合が良い。これらの資料はすべてchapter3で述べる。望む色を手に入れるその他の方法は、色の違う2色のグレインフィラーを望む色に近付くまで互いに混ぜ合わせることである。木よりも暗いトーンのフィラーを使った場合、木目や導管が自然な色に見えても、開いている木目(導管)はかすかに影を持つことを覚えておこう。ウオーター・ベース・グレインフィラーは互いにまぜ合わせたり、ウオーター・ベース・ピグメントを加えたり、dyeを濃縮した液体を使うことで色を調合することができる。

HOW TO hand-mix Collor(どのように混ぜるか)
ギブソンSG、レスポール、ハミング・バード、50年代後期から60年代初期のJ-45などのネックやボディーのチェリー・レッドフィラーのようなビンテージカラーを調合しようとしたら、いくつかの色を手作業で混ぜる必要がある。しかし、ピグメント・カラーの瓶の中で混ぜてはいけない。すり鉢と乳棒でフィラーにピグメントをすり込むか、あるいは、フィラーをガラスシートの上に広げ、平らな石片かプラスティック、ガラス、金属の平らな物でよく混ぜる。必要だと思う量よりも少なめの量の染料を加え、ゆっくりとフィラーに混ぜ込んでいく。30分以内くらいでやるのが良いだろう。もし、フィラーが乾いたように見えたら、亜麻仁油かナフサ、鉱物性アルコールを数滴加えて湿らせること。