Guitars590’s blog

愚か者の力を馬鹿にしちゃあいけない。

Step5:The Sealar Coat
 多くのレシピは木地に目止めを求めているが、グレインフィラーを使う前にウォッシュコートをしようが、トップコートをスプレーする前にビニールシーラーかそれ以外の適したバリアフィニッシュで1〜2回のシーラーコートを施した後にグレインフィラーを使おうが、そのあたりの順番は問題ではない。薄めて、ウォッシュコートのような形態で1回のシーラーコート(複数回も)をするフィニッシャーもいれば、一度にいくつかの工程をまとめて行う目的で標準の粘度で、もう少し後の作業でスプレーするフィニッシャーもいる。染色や目止め、あるいは別の表面を形成する何かを一切行わずに、完全にナチュラルな状態の木地にスプレーしようとするならば、Step5から8までは飛ばして、直接Step9のクリアトップコートに進むように。こういった場合、トップコートシーラーコートは同じこと(もの)になってしまうのだ。シーラーはずっと前の段階から準備され染められウォッシュコートをされ、グレインフィラーを用いられてきた木の最初のスプレーによるコートなのである。
 Step3において、スプレーされたウォッシュコートは、木に触れた最初の塗料であった。だから、幾分かのシールと防御(プロテクト)をしてくれた。実際、シーラーコートは通常、ウォッシュコートよりもほんの少しだけ重たく(粘度が高く)、同様の生成物(塗膜)をもたらす。ウォッシュコートフィニッシュ剤としては、ビニールシーラーシュラックのようなバリアフィニッシュを我々は選択している。それは我々がビニールシーラーやシュラックの持つもう一つの特性、つまりシールするという特性を気に入っているからである。
 本当のシーラーコートは、同じ段階で木目をうめる。広い木目(開いた木目)の木に対してグレインフィラーを全く用いないフィニッシャーもいる。彼らは木目をシーラーコートで埋めることを好むからだ。(クリアトップコートでコーティングすることは既に述べている)
 シーラーとしては数多くの異なった塗料を利用することができる。15年かそれ以上前には、多くのフィニッシャーはサンディングシーラーの何層にもおよぶコートをおこなったものだ。それはサンディングしやすいようにラッカーにエステルを加えたものや、速く硬化(乾燥)するように薬剤を加えたラッカーであった。意図としては、製作のスピードアップであったが、フィニッシャーの傾向としてはサンディングシーラーでの作業がしたかったのだと思う。つまり、より硬いトップコートの2回のトップコートで仕上げたかったのだ。(そうはいっても)柔らかいシーラーの基質は、クラックを生じさせる脆いトップコートの原因になるし、寒さによるチェック(ひび割れ)の原因にもなる。そして、最終フィニッシュが柔らかくなるし、サンディングシラー無しのフィニッシュに比べてクリアさに劣ることになる。
 小さなリペアショップや個人メーカなどは特にそうなのだが、現代のギターフィニッシャーは、ラッカーサンディングシーラーを全く必要としていない。フィラーの上に1〜2回のウォッシュコートをして、シーラーコートにしている。そして、クリアラッカーでフィニッシュを形成しているのだ。
 サンディングシーラーが実行可能なシールコートだったとしても、たっぷりとしたスプレーの後でフィルム層を生成するのに、表面の木地に向けて、サンディングしていくことだ。これは、フィニッシュ剤で穴を埋めることになるわけだが、木の表面にはシーラーの薄いフィルムだけになる。・・・次になされるトップコートに対するレベルコートをもたらしてくれるのだ。このやり方において、サンディングシーラーは有効なのだ。
 あなたのステイン(染料)、グレインフィラー、あるいはナチュラルカラーや木の樹脂などと逆の作用をするようなシーラーは選ばないことである。色のにじみは大きな問題である、染色剤はすべて、ある程度はにじむものだ。だから、にじみを理解するようになるために端材で試しておくことだ。(多くの場合)最も良いシーラーはフィニッシュ自身である。
 適切に施されたシーラーコートは、フィニッシュが上手く施されるに足るスムースな表面をもたらしつつ、フィニッシュにほんの少しの厚みを加えるだけである。色をスプレーしたら、色の層を保護するための何層にもわたるトップコートが終わるまでは、サンドペーパは除くが、表面に触れることは避けたいものである。だから、着色が施される前にシーラーコートを平滑にするための良い仕事がとりわけ重要になるのだ。(後に施されるクリアトップコートのためには、サンディングやレベリングを必要としないことが求められるのだ。)
 少ない塗装回数で、すぐ後のトップコートから木に染み込む深い浸透力から守るために、薄いシーラーが必要であるならば、たくさん薄め液を使いなさい。一定量のフィニッシュ剤に対して、2倍から3倍の薄め液を混ぜなさい、ちょっとした目止めが必要であったり、サンディングで表面を整えるために厚い塗膜が必要になったら、薄め液を減らすことだ。自分で混ぜる自信がないならば、端材でテストしてちょうど良くなるまで調節すること。