Guitars590’s blog

愚か者の力を馬鹿にしちゃあいけない。

それではジェフ・ベックは何が凄いのか?

ジェフ・ベックの凄さは何か?そう問われたときに、どう答えるだろうか?スローなバラードのトーンの美しさ。或いは、予想もしないトリッキーなフレーズ。60年代後半から70年代の「ワールド・ロックフェス」位までの本当にばかでかい音。どれも正解だけれど、上記に当てはまるギタリストは他にもいますよね?じゃあ、アーミングの凄さ。これにしたって彼より凄いやつはごろごろしています。貫禄?そりゃ有ります。だって60歳すぎているんだもの。無きゃおかしい。
じゃあ、何なのか?
それは、無駄なものをそぎ落として行って残ったモノの美しさでしょう。例えばダイヤモンド。ダイヤモンドも最初はただの石にしか見えません。しかし、余分なモノをそぎ落としていって、きれいにカットするからダイヤモンドの輝きを得ることができます。ジェフ・ベックの凄さはそれと同じだと思います。トーンにしろフレーズにしろもの凄くそぎ落として行っての結果なのではないでしょうか?そして、彼の音楽のバックボーンにある生活自体もそうです。例えば、一緒にやるメンツ。年中取っ替え引っ替えです。彼ほどメンバーが替わる人も珍しい。彼にとってメンバーチェンジは無駄なモノをそぎ落とすための重要なことなのでしょう。例えば、私生活。彼は数年前に恋人と別れています。大分、揉めたらしいですけれど。こういった重要なことですら乗り越える。例えば友人関係。彼は異常に友達の少ないやつらしい。というかこれは性格的なモノかもしれないが、とにかく交友関係は狭い。わざと狭くしているんじゃないか、と言うくらいだ。ギターのためじゃあ無いだろうが、結果、そぎ落としである。
なんか、ギターの鬼のように聞こえるが、全て結果から見ると、ありとあらゆるモノをそぎ落としている気がする。残った実態が彼自身であり、彼のギタースタイルなのではなかろうか?
趣味だって車以外には無いようだ。その車だって近所の連中と付き合っているだけらしいし。
私がジェフ・ベックの強烈なファンだという理由に「私自身猛烈に交友範囲が狭い」という理由がある。何となくではあるが理解できてしまうのである。車をいじっていると、その間は他のことを考える余裕はない。完成すれば、思った通りの能力が出るか直ぐに試す。駄目だったら改善する。その繰り返しである。友達と時間をつぶすのも悪くはないが、そうしていると突然改善策が頭に浮かぶ。もう居ても立ってもいられない状態になる。家に帰って車をいじらなくては、という衝動に駆られる。ギターについてだって彼の若い頃にはそういう瞬間が何度も有っただろう。無性に弾かなきゃ、と思う瞬間が。無論何度も言うが同じ誕生日で彼の方が一回り以上年齢が上だというのも、ファンである理由の一つであるが。
うまく説明できなかったが、とにかく、彼の凄さはありとあらゆるモノをそぎ落とした結果のギターだと言うことだ。しかもギターの鬼になっていない人間らしいところが、多くの人々に支持されるのだろう。

サンタナの凄さ。一言。誰にもわかりやすい。

ジミー・ペイジの凄さ。容量の大きさが、とてつもないこと。ただ、誰かに触発されないと、ただの器になってしまう。最近、本当にただの容器じゃないのか?と強く思う。