Guitars590’s blog

愚か者の力を馬鹿にしちゃあいけない。

Scrapers
 スクレーパはどんな形であっても良いのだが、0.8mm〜1.5mm位の厚さを持った平らな鉄製の物である。スクレーパのエッジは木の表面を滑らかに削り取るためにしっかりと形成され研がれることになる。そういう道具を使えば我々がギター・フィニッシュに望むフラットな面を作り出せる。
 どんな物でも鋭いエッジを持っていればスクレーパとして利用できる。例えばガラス片、ポケットナイフ、チゼル、片刃カミソリの刃、エグザクトナイフの刃などである。これらはきちんと研がれたスチール・スクレーパのような、しっかりしたカール・エッジを持っていない。だから、木よりもフィニッシュやプラスチックの上で効果的に働く。しかし、堅い木の上では利用目的がある。スクレーパの出っ張ったエッジがポジティブであれば、カンナのように切れるのに対し、ネガティブ・フック・アングル或いは「レーキ」アングルだと、スクレーパは刈り取る(スクレーピング)アクションになる。ポジティブが柔らかい木に良いのに対しネガティブは堅い木にマッチする。
 スクレーパはあらゆる木のサンディングによる傷を取るのに優れている。特にはっきりした木目の堅い木や端末部分を削るのに優れている。(カッタ・ウェイ、ソリッド・ボディーギターのトップの膨らみ、マホガニーのネックのヒール部分の様な彫り込まれた部分など)ファイングリッドのサンド・ペーパを使うように、その部分の木目の価値を高められるだろう。そして、スクレーパはその作業をより上手に素早くするだろう。木の表面を整えるのに、サンド・ペーパが(こする)という感覚であるのに対し、スクレーパは削り取るという感じである。
 スクレーパは木部の表面にあるペインティングの余分を削るにも都合がよい。ギブソンスタイルのギターを製作する者には重要な役割を負ってくれる。工場ではマスキング作業による時間の浪費を避けるため、故意にステインやフィラー、フィニッシュをバインディングの上から吹き付けてしまう。その後、スクレーピングによってきれいにこそげ落とすのである。
 大きくても小さくても平らな面の出っ張った部分をならしたり、滑らかにするのにスクレーパを使うことができる。ペグ・ヘッドの表面を整えたり、プラスチックの材料や木のインレイ、ペグ・ヘッドの狭い部分などを整えることができる。スクレーパは脆くて鋭い部分をスムーズにすることができる。(鋭い角を丸めるような傾向を持つサンドペーパでは不適切な場所など)スクレーパは小さくて汚い染みや、ファイナル・サンディングの後、白いバインディングに残っているサンディングによる傷を綺麗にするのにも最適である。 片刃カミソリの刃は木の上の本当に小さな出っ張りやプラスチックバインディングやフィニッシュ・リペア部を平らにしたりするのに手軽に扱えるスクレーパになる。カミソリの刃を硬いスチールに沿って一定の角度で移動すると刃にスクレーパの様なエッジをつけられる。あなたは片刃カミソリの刃の働きに目を見張るだろう。刃が切れなくなったら捨ててしまって、また必要に応じて作ればよいのだ。
 必要に応じてバイスに平らな鉄板を挟んでスクレーパを研ぐこと、そして滑らかな研磨ヤスリでシャープに四角く刃を研ぎ上げること、何回か研ぐことがエッジにスクレーピングに使える刃を与えることだろう。最終的に刃がつけられてから、また研ぐことが必要になることは言うまでもない。